全き(まったき)心を与えることとハートブレイク②/ビジョン心理学チャック・スペザーノ博士ハートブレイクには恩恵が隠されている
チャック・スペザーノ博士の著書『ハートブレイクには恩恵が隠されている』より、一項目ずつご紹介していきます。
人生の成功の度合いは、自分自身を与えた度合いによって決まります。全き心を与えると、私たち自身がどんどん幸せになり、与えることにさらに意欲的になっていくのです。
「全き心を与える」とは、心が大きく開いた状態です。人生と人間関係の豊かさを受け取り、存分に楽しめるようになります。自分自身を与え尽くせば、完全に受け取れるようになり、永遠への扉が開かれていくのです。私たちが悟りに至るのは、まさにこの段階に達したときと言っていいでしょう。もはや世間から傷つけられることも、誰かを傷つけることもありません。この段階に達するには、愛とパートナーシップが不可欠です。この二つが道を開いてくれるからこそ、どんどん前へ進むことができるのです。
「全き心を与える」とは、「愛する」とまったく同じ意味を持つ言業です。どちらも私たちの魂の本質を表す言葉にほかなりません。愛し方、それも本当の愛し方を学ぶことにより、私たちは自分の人生も、パートナーシップも、まわりの人々の人生さえも変容させるような境地にたどりつけます。また全き心を与えることにより、私たちはハートブレイクの痛みや人間関係、日常生活の些事を超越し、安らかな平和に到達できます。その心の高みこそ、私たちが人生の目的を果たせる場所なのです。
誰もが皆、目的のためにこの世に存在しています。自分の目的に気づき、達成している人は数多くいますが、そうでない人もまたたくさんいます。その目的を生きている度合いによって、人生の充実度が決まると言ってもいいでしょう。私たちの真の目的とは、「世界中で愛を共有し、拡大すること」にほかなりません。この目的は、私たちに幸せをもたらしてくれるのです。自分が幸せでないときは、「自分自身を癒すこと」が目的になります。その独自の目的を達成したときにはじめて、私たちは自分という枠を飛び超え、本来与えるべき贈り物を世界と分かち合えるようになるのです。誰もがひとつの目的“世界中で愛を共有し、拡大すること”を共有しています。でも興味深いことに、その目的達成のためには、一人一人が自分を与えなければいけません。だからこそ、私たちは愛を通じて自分自身を与えられるのです。
自分の中で前向きなエネルギーがわき起こると、私たちはそれを周囲に伝え、拡大していくことができます。わかりやすい例をあげてみましょう。たとえば通りすがりの人ににっこり笑いかけられたとき、どんな気持ちがするか想像してみてください。少しびっくりするかもしれませんが、ほんわかと温かな気持ちになるはずです。その温かさこそ、魂のぬくもりです。私たちはそのぬくもりを周囲に伝え、どんどん広めていくことができます。「贈り物を与える」とは、まさにこの状態のことなのです。愛にもこれとまったく同じことが言えます。しかもその拡大方法はさらに深遠です。愛は、私たちをあらゆるネガテイブな感情(傷心や苦痛、罪悪感、怒り、絶望など)や状況から一気に引き上げてくれるのです。
本書は、以上のような概念を詳しく説明した一冊です。不幸やハートブレイクから脱出し、愛(あるいは、もし根気よく自分を癒し続ければ「悟り」)に到達するまでの旅路について書かれています。人は皆、一生を通じて旅をしていると言っていいでしょう。私たちはその旅の苦労を分かち合い、人の痛みを軽減できる贈り物を持っています。また人から贈り物を受け取り、それを自分の中で大きく育むこともできます。自分のすべてをパートナーと分かち合い、パートナーのすべてを自分も分かち合う……。こうして私たちは真の意味でつながり、本当のスピリチュアリティに目覚めていくのです。このやり方は幸せと成功を導きます。 私たちにはそのための無限の能力が与えられているのです。このやり方を学ぶことで、私たちは真の愛を発見し、守り続け、それを自然なことだと考えるようになります。これこそまさに理想の人生です。全き心を与えれば、誰もがその理想の人生を手にできるのです。
ビジョン心理学創始者 チャック・スペザーノ博士