三角形モデル 一体感へのステップ~自立の段階
自立
全般的ニーズ:成功すること、もはやニーズや承認のために他人をあてにしない、どんなことをしても自分個人でいる。
全般的怖れ:依存的になること、被害者になること、嫉妬、ハートブレイクの再来、他の人の承認を得るために犠牲に戻らなければならない。
抜け道:パートナーシップ、他の人とつながる、身を任せる、他の人たちの感情やニーズは成功への重要な要素であることに気づくこと。
被害を受け、ひどく苦しんだ後に、もうこれ以上、嫉妬やハートブレイクや感情の奴隷になることは拒否するという瞬間がやってきます。自分だけを頼りにし、依存的な人の痛みから逃れようとして、私たちは自立に入ります。残念なことに、この“自立”はたいていの場合、苦しみやニーズ、被害者の体験からの切り離しでしかありません。それはどれも押し殺してしまったか、すっかり埋め込んでしまったために、内面奥深くに隠れていて自分では気づかずにいるだけです。
さて、ここでは“真実ではない女性性”、つまり被害者の場所から前に進んで、今や“真実ではない男性性”、故意ではない加害者の場所へとやってきたわけです。意図的に誰かを傷つけたいと思っているわけではないけれど、私たちにはどうしようもありません。自分の感情から切り離されているために、周囲の人の感情にも気づかないのですから。一般的にいって、この段階にいる時は、依存の段階にいる時に傷ついた分だけ、他の人を傷つけます。自立している人が問題の多い状況を扱う時の戦略はコントロールを握るか、その場を去るかです。
三角形のモデルを山にたとえるとすると、依存(山の一方の尾根)から自立(その反対側の尾根)へと移ってくると、世界がまったく異なって見えます。自立へ来ると、たいていの場合、私たちは物事を自分の思いどおりにしたいと思います。しかし、ここでは試合のルールが変わっているのです。私たちは異なるスキルを開発する必要があります。(依存の辺で)山に登っている時は、登山道具などを使って“頂上目指して頑張って”いたわけですが、今は(自立の辺で)山を下るときなので、スキーを使えばいいのです。自立の段階における中心的なレッスンは、前に進むためにはもはやハードワークしたり、勤勉になるのではなく、身を任せる、流れに乗る、真実の与え方をして、受け取るということです。
自立の段階(実際には以前の依存を埋め合わせるために、真実ではない自立を体験しているのですが)を進む過程で、私たちは主要な切り離しから抜け出ます。前に進むに従って、私たちは“まとまる”ようになります。あるいは、自分の体験・知覚(その時に感じたこと)や感情(過去に作られ、内面からわき上がってきたもの)と自分が一線上につながり、一致するようになると言ってもいいでしょう。数多くの潜在意識のパターンから自らを解放するのが、この自立の段階です。
期待―自立の第一段階
中核のニーズ:みんなを成功させる。個人として成功する。完璧に物事を成し遂げる。
中核の怖れ:物事が完璧でないばかりか、これからも完璧にはなりえないし、十分ではないだろう。それというもの私たちが不十分であり、いくら努力しても十分にはならないだろうから。人間関係においても、パートナーは(美しさ、セックスなどの面で)十分ではないだろう。自分自身も含め、私たちの内なる期待を満たすものは何もなく、だれもいないだろう。ちなみに、これらの期待はすべて過去からきているニーズをもとにしている。
抜け道:手放すこと、選択、ゴール設定、マニフェスト、フォーカス、ゴール、こうあらねばならぬという枠を手放すことなどにより、真実が展開するに任せる。
この段階はストレスの最もきつい場所です。あちこちに気が散ります。自分に無理をさせ、あらゆることを完璧にやろうとするか、それができないとわかると一転して完全にあきらめるかのどちらかです。失われた絆と不十分感を埋め合わせようとするのです。自分のニーズを否定しますが、こっそり他の人たちから奪っています。するとそれがニーズを高め、もっと成功しなければと自らを駆り立てます。しかしながら、受け取ることがなかなかできませんから、砂漠にいるような気分です。
コントロール―自立の第二段階
中核のニーズ:成功しているのに自分自身を防御しなければならない。まずは自分が最優先、その次に他の人たちが傷つかないよう、状況や自分自身、他の人たちを自分のコントロール下におかなければならない。他の人に押しつけがましく、自分のやり方でするよう要求する。
中核の怖れ:コントロールを失い、自分のやり方ができなくなるだろう。拒絶され、傷つき、またハートブレイクになるだろう。
抜け道:信頼、統合、コミュニケーション、橋を架ける、つながる。この段階では、古い傷心を埋め合わせ、分裂したマインドからやってくる怖れを取り扱う。やっと受け取り始めることができる。ある時点で、切り離してしまった感情やニーズともう一度つながろうとコミットする。
コントロールの段階では、私たちは、自立の砂漠にあって、しばしのオアシスに出会うようになります。ここでやっとコミュニケーション、橋を架ける、つながる、統合などの体験をすることになるでしょう。癒しを通じて、ハートブレイクの怖れやコントロールを捨て、その代わりに自信を受け取ります。
デッドゾーン―自立の第三段階
中核のニーズ:正しく行って、成功しなければならない(失敗感によって駆り立てられている)。
中核の怖れ:失敗。
抜け道:コミットメント、真実、自由、簡単さ、確信、サポート、本物、識別力、誠実。
人間関係や自分自身、真実、本物であること、そして次のステップにコミットするにつれ、三角形モデルのパートナーシップの角にやってきます。ここへ来ると、男女とも自立の段階にいる人にとっては、傷ついた女性性を癒し、真実の女性性に価値を与えることが課題になります。
コミットメントを通して、女性性の側面と男性性の側面のバランスがよくなります。すると、私たちとパートナーの両方が新しいレベルに引き上げられ、成功や親密感への怖れが癒されるのです。
デッドゾーンには主なワナが四つあります。これ以前の段階で私たちが直面するワナは同じ課題の異なる側面と言ってよかったのですが、この段階では、ワナがちがいのはっきりした四つの層に分かれます。最初に扱うのが、役割によって生じた死んだような感じです。役割は家族を救えなかったという罪悪感を埋め合わせるための行為です。この他、この段階で取り組み、癒すことのできる三つのワナとしてエディプス・コンプレックス、競争、次のステップヘの怖れがあります。これらはすべて、家族の絆が失われてしまったことから生じたものです。
最初のワナでは、死んだような感じに加え、無価値感、気持ちの落ち込み、犠牲、にせ物だという感じ、はまってしまった感じ、マンネリ、燃え尽き、受け取ることができない、失敗感、自意識などがあります。そうした感情の存在を認め、感じるよりも、私たちは補償行為としてもっともっと働き、他の人たちや自分自身に対して、自分がいかにいい人であるかを証明しようとします。なんでも自分でやろうとして、外からの助けやインスピレーション、愛、流れ、ビジョン、パートナーシップの入り込む余地を残しません。受け取ることができず、変化への怖れがあるために、人生がお決まりの作業になってしまい、生きている感じがしません。自分の感情を取り扱う意欲がないと、それを他の人たちと分かち合うことにも消極的になります。自分を隔離していると、犠牲や無価値感、失敗感など感じたくない感情を避けることができるので、“安全”と感じます。