家族と人間関係~人間関係は人生の土台
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- 人間関係は人生の土台
ビジョン心理学はハートの道であり、絶え間なく深まり、拡大し、そして進化する関わりあいと愛の道です。人間関係は人生、人間界、あるいは霊的宇宙の基礎となる土台であり、人間関係の道が、まわりの人や自分、神との関係や親密感を高める進化の道なのです。人生を真に対等な人間関係という視点で見ないと、私たちは知らず知らずのうちに自分自身や他の人たちを物としてとらえ、人生や人びと、そして自然から自分自身を孤立させることになってしまいます。人の道具にはなりたくないので、私たちは、どんなプロセスでも自分で対処できるように自分が主体になろうとします。こうなると私たちは他の人たちに対して競争的になり、コントロールしようとしたり、人から権利を奪うような態度になります。 これは人間関係や喜び、成功、豊かさを健全に築くものとは正反対の生き方です。
根っこのレベルでは、どんな問題も人間関係の問題によって起きています。トラブルはすべて人間関係から生じ、問題という問題はすべて基本的には人間関係の問題だという意味です。また問題はどれも恨みつらみの結果ですから、許しやつながることを通して、本当の課題である分離を解消すれば、癒すことができるのです。自分自身を癒し、新しいレベルの絆ができるにつれ、外側の症状や問題が消えていくので、これを支えにして、私たちは最も大きな問題でも比較的シンプルで直接的なやり方を使って扱うことができるのです。
- 主な人間関係のパターン
被害者のワナやパターンにはまってしまうと、私たちはその問題に関して、まったく選択の余地を持たないと感じます。自分の意思とは無関係に何かが起きているように思えます。しかし、こうした被害者のワナやパターンは私たちの人間関係のワナやパターンの結果として生じています。
私たちは、人間関係のワナやパターンをほとんど表面意識の下にしまっています。そこにあふれているのは特別でありたいという願望ですが、特別さは偽りの愛の形です。特別さによって、私たちはまわりにいる人たちに承認や注目を要求しています。この特別さから、比較や競争が愛と仲間意識の苦悩として立ち現れるのです。特別な人間関係のパターンはすべ家族のワナとパターンから現れます。
特別さを通じて愛を求めるパターンは、家族の中の人間関係から始まりました。子どもの頃にどのぐらい苦しんだかということと、特別でありたいというニーズによってどのぐらい傷ついたかの間に、なんらかの相関関係があると言えます。
家族のパターンと子ども時代のトラウマは魂のパターンの結果です。これはマインドの主要なパターンであり、私たちはこれを癒し、うまくやり遂げ、そしてそこから学ぶために生まれてきました。この魂のパターンの中には、先祖代々のパターンとして現れるものもあれば、マインドの中の最も深いストーリーのパターンとして現れるものもあります(人によっては、こうした深い物語を過去世と考える人たちもいます)。それらは私たちの両親/子ども時代/家族のパターンに影響を与え、それが私たちの人生全体に影響を与えます。それら魂のパターンは同時に癒しのチャレンジやトラウマを提供しますが、それを変容すると、私たちの生まれてきた目的を示してくれます。
癒されるパターンが深ければ深いほど、癒しはすべてのレベルでより効果的になります。魂のレベルでは、私たちはこの人生において癒し、学び、世界に貢献するために生まれてきたのです。もしも魂レベルか、家族のレベルのパターンを癒せば、私たちは10個の人間関係のパターン、あるいは100個の被害者のパターンを効果的に変えることができます。
人間関係は、問題をすべて癒すための変容のカギを私たちに与えてくれます。どのレッスンも、どのステップも、成長の手段を与えてくれます。実際、人間関係の道は、最もスピードの速い成長の道です。私たちと悟りの間にあるもの、そして私たちと一体感の間にあるものすべてが、人間関係の問題として持ち上がりますから、霊的成長の近道と言えます。
本質的には、子ども時代のことをすべて完全に癒していないと、ハートやマインドの中の壊れたままの部分が、私たちと他の人たちとの間で問題として上がってきます。私たちが感じている痛みが相手のせいではないとわかるには、成熟を必要とします。どんなに相手の非が明らかであっても、起きたことに対し私たちが感じていることは、すでに以前から私たちの中にあったことです。それが表に現れ、私たちが気づけるように、だれかが引き金を引いてくれるのをただ待っていました。私たちの感情は、その人に会うずっと以前から、私たちが持っていたパターンの結果です。こうした失敗、問題、事故、攻撃などは、私たちがマインドの中に持っていたものであり、私たちの想念や批判、攻繋の想念の結果なのです。
だからといって、この状況が彼らのせいではないのなら、私たちのせいだ、というわけではありません。こんなふうにして自分のマインドの深さに気づくことは、私たちにパワーと責任を与えます。自由の始まりです。自己攻撃や自己破壊に気づきさえすれば、私たちはそれを癒すことができるのですから。こうしたヒーリングのステップを踏むことによって、一歩ずつ、私たちは人生や人間関係で前に進めるのです。
人間関係は、それ以外では隠し続け、決して扱うことのなかったような問題に対処する意欲を私たちに与えてくれます。何かが不快に感じられるなら、それを扱い、変容させることが人生を救うことになりうるということに気づきさえすればいいのです。私たちの魂は、私たちが気分のいい日をおくるかどうかなんて気にしていません。魂が何より望んでいるのは、癒しと進化、学びと変容です。ネガティブな感情は過去からのものであり、まるで現在の痛みであるかのように見せかけて絶えず現れます。現時点で課題をうまく癒すこと(課題の過去の根っこを解消し、失われた絆を再び確立し、怖れと分離を解消すること)は、一生ものの癒しになります。すると、私たちはより深い親密感より成功している人生に進むことができます。