自分を受け入れる(栗原弘美)
どんなに幸せな人生を送っていても、私たちは生きていると、
親や大切な人との別れは避けられないものです。
大切な人の病気や死に直面した時、
いつかは別れが来ることを覚悟していたとしても、
動揺してしまい、怖れにとらわれてしまうこともあります。
例えば、あなたの親が重篤な病気であると、分かったとします。
病気になったのは、自分のせいではないと分かってはいるものの、
「自分は親にとって、いい子供ではなかった」と、
自分を責めてしまいがちです。
ここで大切なことは、自分を責めないことです。
親が病気になったことに、批判や判断があると、
それは親を責めていることと同じことなのです。
そして、親を責めるということは、自分を責めると同じことです。
自分を責めたり、親を責めるということが、
病気の親の健康状態にプラスになるでしょうか?
マイナスになるでしょうか?!
今、あなたにできることは、「受け入れる」こと。
親が病気になったことを責めている自分、親と自分を責めている自分を、
ただ「そうなんだな、責めてる自分がいるな」と受け入れることです。
自分のことを受け入れることが、親に
とっては最良のことなのです。
でも、自分を責めている時は、そんな自分を受け入れるなんて到底出来ない、
と思うかもしれません。
その時は、「自分を受け入れることができない自分」を受け入れてあげてください。
「自分を受け入れることができるようになったら、自分を受け入れよう」
というのはエゴのからくりです。
私たちは、いつか肉体を離れる時がきます。
それがいつであれ、一
番大切なことは、あなたと、
あなたの大切な人との関係が、愛だけになっていくこと。
今、その人に伝えたいことは何ですか?!
それを先延ばしにしないことです。
病気は、人間がこの肉体にずっといるわけではない、と気づかせてくれる
ひとつのきっかけにすぎません。
あなたと、大切な人の間には、愛だけしかない。
それが真実なのです。
それ以外は、すべて自己いじめです。
自己いじめをやっている自分をも受け入れると、エゴは退散していきます。
あなたがするこ
とは、ただ
それだけなのです。